いい話があったので抜粋してみた。
太平洋戦争での日本の敗戦を知らないまま、フィリピン・ルバング島のジャングルで、約30年間生き続けた元陸軍少尉の小野田寛郎さん(88)が12日、島根県隠岐の島町都万の都万中で講演した。「人は一人では生きられない」と題して、全校生徒や地域住民ら計100人に、助け合って生きる大切さを説いた。
小野田さんは1944年、情報収集の任務でルバング島へ派遣され、ジャングルに潜伏し続けた。遭難した日本人冒険家に偶然発見され、74年に日本に帰還した。
帰国後、ブラジルに渡って牧場を経営。84年にはキャンプを通じて日本の子どもの健全育成を図る「小野田自然塾」の活動を始め、各地で講演も行っている。
講演で小野田さんは、破れた服を縫う針を作るため、1日がかりで金属を削ったものの、9本しか作れなかった経験を紹介。「針1本の値段はごくわずか。一人前のつもりだったが、自分の力はこんなものかと思い知らされた」と語った。
自然塾では子どもたちに、互いに支え合う大切さや、集団の中で生きるためにルールを守る必要性を伝えていると説明。「優しくなければ、集団の中では生きられない。強くて優しい人になるため、目標をしっかり持ち、夢に向かって努力してほしい」と呼び掛けた。
講演会は、小野田自然塾と日本財団が開いた。